とらわれの身の上 第1話 後編

くろいし めぐみ
黒石 恵 : 悠々自適の大学生。
       鈴花と目が合うと下僕発作が起きてしまい、
       くさいセリフをはいてしまう。
こうがみ すずか
昂上 鈴花 : 昂上家の生き残り。中国で育った純粋な少女。
くろいし よしみ
黒石 嘉(父) :昂上家の執事として長年仕えている。 ご主人様・命!!

養母 : 鈴花の養母。中国で育ててくれた優しい人物。

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―執事の服装を鏡の前で整えている恵―     

      恵 「ふんふん〜♪(適当に鼻歌)
         よぅし!バッチリだ☆
         姫の前で だらしないカッコは出来ないからなーv
         ――――何やってんだ俺は・・・・(ガクッ)

          -(M)- 呪いは強力だ・・・ι 朝飯でも食って―――・・・
                あれ?親父の奴、珍しくフライパン使ってる・・・」

―鈴花料理中―

      鈴花 「――!?ニーハォー!!」

―食卓に豪華な料理が並ぶ―

      黒石 「ばっかもーーーーーんっ!!!!!!!!
           お嬢様に料理をさせるなんて 何たる無礼な!!」

      恵 「でも うまいぜ、コレ。ほれ」

      黒石 「(ぱくっ) おいしいっ!!おいしいですっ!!!
           ああっ、お嬢様っ!!私は世界一幸せもですっっ

      恵 「-(M)- 俺もいずれは ああなるんだろうか・・・(不安 ※M終了)
         御苦労されたのですね、姫―――。 本当においしいです

      鈴花 「オイシイ?(にこっ)」

      恵 「-(M)- こんな時に よく和めるな、俺は・・・・。
               この妙な呪いに操られたままでいいのか?」

―その夜―

      恵 「(ドアをノック) さーて。昨日教えた日本語、ちゃんと復習しておいたか?」
          めぐみ
      鈴花 「恵v」

      恵 「-(M)- でも、それは目が合った瞬間
               忌まわしい呪いに縛られるまでの ほんの一瞬・・・・。
               見とれている自分がいることに、気が付いた。
               くそっ!呪いなんか 跳ね返してやる!!」
          めぐみ
      鈴花 「恵・・・?」

      恵 「はい?v(にっこり)

          -(M)- うわああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!
               違うっ!!こんなの俺のプライドが許すはずがないっ!!!
               ・・・はずだ(M終了)

         いかがなさいましたか?浮かない顔をされて―――・・・
         おや、私に手紙ですか?え〜、なになに?

         『恵は めし つかいみたいに なったり つめ たくなる
         どうして むかしみたいに あそ んでくれ ないの?』

         ・・・・好きでなったわけじゃねーよ、下僕には・・・(ぼそっ)」

      鈴花 「げぼく・・・?

      恵 「うわあぁっっ!!!言うな!!!(泣)
         くっ・・・!漢字を並べれば伝わるだろうっ!
         『昂上の呪いのせいなんだ』 読めっ!!というか見ろっ!
         信じなくても笑うなよ・・・こっちは人格崩壊の危機なんだから」

      鈴花 「・・・・・・(逃走)」

      恵 「待てっ!待てよっ!!」

―恵、鈴花を捕まえる―

      鈴花 「っ!!!(涙)」

      恵 「-(M)-
あっ・・・・目が合っちった(汗 ※M終了)
          姫っ・・・・なぜ涙をお流しにっ!!(涙)
         -(M)- ぐわ〜〜〜ん、俺って何だかバカ・・・・」
                           めぐみ
      鈴花 「かわいそう・・・・かわいそう・・・恵・・・・・・(涙)」
         すず    か
      恵 「鈴・・・・花・・・・・?
         泣いてくれるのか、俺なんかのために・・・・・・
          -(M)- 優しい鈴花―――・・・
               遺産のために、一家の死を少しでも願っしまった
               俺なんかのために――――
               さすが泥棒の子孫だけあって、俺は相当欲が深いらしい。
               サイテーだ・・・・

          数日後、鈴花はたどたどしい日本語で言った。」

      鈴花 「私は、懐かしい貴方に会うために ここに 帰って来た」

      恵 「-(M)- あくまで俺と目を合わさずに」

      鈴花 「会えて 良かった」
                    すずか
      恵 「-(M)- 数日後、鈴花は中国に戻った―――」
                すずか
      黒石 「お優しい鈴花様は、中国で可愛がってくれた
           養父母の元へ戻る事を希望していたのだ。
           あの小さなレストランへ・・・・」

      恵 「へぇ?レストランで育てられたんだ・・・
         どおりで料理がうまい・・・」

      黒石 「ああ・・・・、このお屋敷はどうしようか・・・」

      恵 「もらってしまえば?
         鈴花の手紙にも「やる」って書いてあるぜ?」

      鈴花 『お元気ですか?
           私がいなくなって、普通の生活を送られていることと思います。
           それでいいと思います。“呪い”なんて無いほうがいいのです。
           中国にも、恐ろしい呪いの言い伝えは沢山あります。
           恵さんだけではありません。気を落とさないで下さい。
           お屋敷のことは・・・・・・(フェイドアウト)』

      恵 「屋敷がもらえるっていうのに、満足感が無い」
                 めぐみ
      黒石 「なぁー・・・恵ぃ・・・」

      恵 「んーーー?」

      黒石 「その手紙・・・・・未練たらしく何十回も読み返すくらいなら
           いっそのこと鈴花様を さらってこようか・・・(`∀´)
          ケケケケケケッ・・・この体に流れる大泥棒の血がうずくニャア!(化猫)

      恵 「おっおっお親父ぃ!???
         正気に戻ってくれよ!!鈴花なんて戻ってこない方がいいんだよ!
          あんな呪われた生活もうイヤだ!!」

      黒石 「本当か・・・?本当に心底イヤだったのか・・・?

      恵 「-(M)- いつの間にか、そんな事はどうでもよくなったよ・・・・」

―中国・雲南省―

      養母 「お前がいない間、お店は大変だったよ。
            お客に お前の味付けじゃないとダメだって言われてねぇ(^^)
            で・・・どうだったんだい?故郷の様子は」

      鈴花 「空港が大きかったわ。ママ♪
           恵兄ちゃんは何だか面白い人になちゃってたwあはははw
            でも、とても優しいんだ・・・・」

      養母 「いいんだよ・・・お前は故郷に帰っても・・・・」

      鈴花 「ママッ・・・!」

      養母 「嫁に出すのと、似たようなもんさ。それにほら・・・・
           今度こそ本物のお迎えが来ちまったようだ」

      鈴花 「恵・・・・?―――――え?
           すずか
       「鈴花!!

      鈴花 「恵っ・・・」

      恵 「お前を盗むために、こんな遠い所まで来てしまった・・・。
          -(M)- 別にプライドを捨てたわけじゃない。
                ただ放して置くことが 出来なかったんだ―――(M終了)
         言っておきますが、ご主人様のためじゃないですよ?
         俺の欲のために参上したんです。
         連れ去ってしまってもいいですか・・・・?」

      鈴花 「・・・・っ(涙)」


1話終了