とらわれの身の上 第1話 前編

くろいし めぐみ
黒石 恵 : 悠々自適の大学生。
       鈴花と目が合うと下僕発作が起きてしまい、
       くさいセリフをはいてしまう。
こうがみ すずか
昂上 鈴花 : 昂上家の生き残り。中国で育った純粋な少女。
くろいし よしみ
黒石 嘉(父) :昂上家の執事として長年仕えている。
          ご主人様・命!!

昂上(父) : 娘大好きな父です。前半ちょこっとだけ登場。

竜神 :一言だけ。

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     昂上 「どぉ――――だっ!!
           かわいい子だろう?私の初めての子だ♪」

      黒石 「まことにお可愛らしい(^^)」
           めぐみ                ずずか
      昂上 「恵くん、この子をよろしく頼むよ。鈴花というんだ。
           黒石よ、お前にも色々と気苦労をかけたな・・・・。感謝してる」

      黒石 「もったいない お言葉でございます。旦那様。
           私は旦那様の執事で 本当にようございました(涙)」


      恵 「−(M)− 俺の親父はこの昂上家に代々仕えてきた ご先祖達同様、執事だった。
                過去形なのにはワケがある。昂上一家には鈴花誕生から3年後――・・・
                旅先の中国で行方不明。12年後、事故死と断定。
                当主の遺言が公開された・・・・・
                それは鈴花が生まれる前のもので、こう書かれていた」

      昂上『私が死んだら、遺産を半分ずつ 妻と黒石に譲る

      恵 「−(M)− ―――かくして、俺と親父は 2年前から優雅な生活だ。
                俺は働きもせず、自由自適の学生生活。
          今日も紅茶がうまい・・・・・」

      黒石 「大変だぞ恵っ!!!

      恵 「ブ―――――――――ッ!!!!!!!! (紅茶をふき出す)」

      黒石 「はっ!!! お前はまたぐーたらと・・・!
           そんなに優雅な気分を味わいたいのか!?」

      恵 「別にいーだろ。これでも一応勉強してんだよ」

      黒石 「おっと それより、大変なんだよ恵!!」

      恵 「なんだよ…ι」

      黒石 「旦那様方の行方がわかったんだ!!(嬉々)

      恵 「-(M)-な・・・・なんだって!?」

      黒石 「ああっ、この黒石!旦那様の生存を信じて14年―――
           死亡届の提出も頑なに拒み続けてようございましたっ!!(感涙)」

      恵 「なに喜んでんだよ!?この屋敷も財産も 俺らの物にはならないんだぞ!?
         金持ちに仕えるのが そんなに幸せか?病気だっ親父は!!」
                                                
      黒石 「なにを言うっ!! 昂上家に使えるのは、黒石として生まれた物の宿命(さだめ)だ

      恵 「さっ・・・宿命(さだめ)ぇ〜〜〜?」

      黒石 「ああ・・・そうそう。
           鈴花お嬢様は大層お美しく ご成長されたとか」

      恵 「・・・へぇ・・・」

      黒石 「ふっ・・・w お前も黒石の宿命(さだめ)を思い知ることになるだろう」

      恵 「?・・・ι(悪寒)」

      黒石 「ああっ 旦那様!ご無事なら どうしてすぐに連絡を下さらなかったのでしょう!?
           ただいま私めが中国までお迎えに参ります!!
(走)」

      恵 「・・・・ι
          -(M)- あーあ・・・さようなら。俺の未来の財産たち。
                金無しの俺に残された道は3つ。
                どこかでアルバイトするか、この屋敷でアルバイトするか
                 ―――もしくは、昂上一家をここから追い出すか―――だ」 

―黒石帰宅(チャイムの音)―

      黒石 「。・゚゚・( ̄Д ̄°*) ・゚゚・。ウワァーン!!(号泣して下さい)

      恵 「なんだよ親父、帰ったそうそう」

      黒石 「旦那様方は中国の奥地で12年前の はやり病で亡くなられていだ〜〜〜(号泣)」

      恵 「-(M)- え!?なんだよ〜!!案ずるより生むが易しじゃねーかv 快適ライフよ再び!!♪(M終了)
          ん?あれ?そっちの子は・・・・?」
 
      黒石 「あっ・・・ああ・・・!(涙)鈴花お嬢様だ!
           唯一生き残られ保護されていた!」
                          すずか
      恵 「え・・・・・・・・・・っ!!す・・・鈴花!?
         −(M)− ショートカットに洗いざらしのジーンズ。まるでお嬢様らしくない少女。
                これが、あの鈴花・・・・か!?」

      鈴花「あ・・・こ、こん・・に・・ちわ・・・」

      恵 「ど、ど・・・どうも。
          う゛っう゛・・・・っ!???(動機)
          -(M)- な、何だこの動機は!?鈴花と目を合わせたとたんに・・・・・・
               おっ・・・オイオイこれは・・・!??これは・・・あっ・・・・(@@;;

        お帰りなさいませ、姫・・・・・・・ 
 
          -(M)- はっ!!?お・・俺は今、一体何をした!?ιιι
                ひざまずいて、鈴花の手を取って・・・キ・・・キス!????」
           めぐみ
      黒石 「恵・・・・おまえ・・・・」

      恵 「 あっ・・・・・・これは・・・その・・・・・
         (ピキッ!!!)・・・はうっ!!ι
         
さっ、姫!お屋敷の中まで お連れしましょう

      鈴花 「ひやぁっ!!ワタシ、重い。ヤメッ!!」

      恵 「さぁ、こちらへ

−恵、鈴花をお姫様抱っこで疾走−

      鈴花 「あ、え?ひっ・・ひやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!(叫)」
           めぐみ
      黒石 「恵っ!!!・・ふむ・・・あいつもやはり・・・・」

―鈴花を椅子に座らせる―

      恵 「こちらへ どうぞ。
         お履物をスリッパに・・・かえ・・・・

          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っっっ!!!(逃)」

―部屋から逃げるように走り去る―

      恵 「はぁ、はぁ、はぁ・・・・(M)どうしたんだ俺は!!!」 

      黒石 「恵ぃ・・・・」

      恵 おっおお親父っっっ!!!俺なんか変なんだ!!
         あんな お嬢っぽくないお嬢を『姫』なんて呼んだり、靴を脱がせたりっ・・・!!

      黒石 「うむうむ。お前の場合、昂上への免疫が ほとんど無いから、ギャップが激しいのだ」

      恵 「なにが!?」
                   こうがみ
      黒石 「・・・・・昂上が 黒石にかけた呪いだ・・・。
            時は去ること室町時代。
            世間を賑わす大盗賊『黒猫丸』がとある武家の屋敷に忍び込み、
            家宝である『昇り竜の掛け軸』を盗み出したことが始まりだ――――
            黒猫丸は、持ち帰った掛け軸を早速広げてみた。
            すると――――
            護り神である竜神が現れ、黒猫丸の子々孫々百代先まで続く呪いをかけたのだ。」

      竜神 我が守護する昂上一族に、お前達は身も心もささげ、死ぬまで仕えるがよい

      黒石 「黒猫丸は・・・私達のご先祖様だ・・・
           何だ!その疑いの目は!?お前だって呪い威力に操られただろうが!!」

      恵 「−(M)−ばかばかしい!(M終了)
          じゃあ本当に呪いだとして、親父にも呪いが・・・?」

      黒石 「はっはっはっ!いつの間にか、そんな事は どうでも良くなったよ。
           そう・・・確か、私が真に旦那様をお慕いするようになってから―――・・・」

      恵 「お慕い〜?絶対無理だね。こんな状況で。
         第一、その呪いとかなんとか信じられるかって・・・・・ん?」

―鈴花登場。恵と目が合う―

      恵 「あ・・・姫・・・・・・・・・・v
         だ――――――――――――――っっっ!!!!
         −(M)−目が合うとおかしくなる!!マジかよ!??(泣)」

      黒石 「・・・。鈴花お嬢様の下僕として、精一杯頑張るんだぞ。
           中国に長く住まわれていたせいで、お嬢様は あまり日本語を話されないのだ」

      恵 「〜〜〜〜っ!!!」

      黒石 「細やかに表情の動きを よーく読み取って、そそうのないようにな・・・・」

      恵 「・・・・はっ!!(正気に戻る)  ・・・・俺は一体どうしたら・・・・・」

―鈴花が裸足なのに気づく―

      恵 「悪い悪い、裸足にさせたままで。ほら、足。 (スリッパ履かせる)
         よし、いいぜ。」

      鈴花 「謝謝(シェシェ)・・・・」

      恵 「−(M)−“ありがとう”って言ってんだよな・・・。−(M終了)−
          いや、これ位のこと・・・・。」

−目が合う−
  
      恵 「−(M)−しまっ・・・た・・・・−(M終了)−
         
姫・・・・・姫のためなら、この黒石恵。たとえ火の中水の中。
         ・・・はっ!!!(正気い戻る)」

−その夜−

      恵 「−(M)− 逃げ出すべきだ――――
                この屋敷から一刻も早く!!!!
                あれ?ここは書斎だよな・・・・」

      鈴花 「・・・・・・・・パパ・・・ママ・・・・(涙)」
                    すずか
      恵 「−(M)−そういや鈴花お嬢は、5歳のときに両親をいっぺんに亡くしてるんだった。
               淋しくないわけ・・・ないよな・・・・・
               ・・・・・・・・・・・・・・・
               ちっ、しゃーねーな。これも“呪い”のせいか?ιιι
               お嬢が日本の生活に慣れるまで、日本語の家庭教師でもしてやるよ・・・
               ああっ!俺ってやさしー!!」

前編終了

後編へ続く